清瀬市の図書館削減・再編問題で同市は2月14日、本の宅配サービスや図書移管施設のリニューアルに予算を充てる2025年度予算案を発表した。
現在6つある市立図書館のうち3つを閉鎖し再編する問題は、「進め方が乱暴でサービス低下を招く」との市民団体などの反対を受けており、今後具体的な予算の割り振りをめぐってさらに議論がたたかわれそうだ。
図書館削減の代替的な措置としての宅配サービスは清瀬市在住か図書館利用カードを持つ人がインターネットなどを通じて正午までに申し込めば市内に限り最短翌日に配達されるサービス。2025年4月1日に受け付けを開始し、利用料は無料、回数は無制限。1億円の予算を充てる。
現在改修中の「駅前図書館」は4月1日にリニューアルオープンする。当初計画では「元町こども図書館」を閉鎖し、機能・役割を「駅前」に移すことになっていたが、2月3日の臨時市議会でこども図書館を当面存続させることが表明され、計画の修正が迫られることになった。「下宿」「竹丘」両図書館が閉鎖されることに伴い、地域市民センター内にオープンさせる「市民サロン」に図書を備える。
予算案には、清瀬市が歴史的に結核療養の“聖地”とされてきたことを受けて、結核療養に関連する自治体、関係団体、研究者らに呼び掛けて2025年11月後半に「結核療養サミット(仮称)」を初めて、400人規模で実施する計画も盛り込まれた。一般会計は前年度比14.5%増の393億7500万円で、過去最大の規模となった。市税収入は8.2%の伸びにとどまり、不足分は繰入金や市債で賄う。渋谷桂司市長は「依然として厳しい財政状況」との認識を示した。


あわせて読みたい:
・清瀬市議会が住民投票の請求否決 図書館削減問題、市民の訴え届かず
・東村山市が新年度予算案発表 過去最高697億、厳しい財政変わらず
・災害用トイレトラックを配備 小平市新年度予算案の新規事業